「Hardcore Evo 2.0」が2018年にTrinityマウントを搭載して、「HC Evo Pro」としてリニューアルしました。
そして2019モデルのHC Evo Proは基本性能はそのままに、フレームとウィールが変更されるなどのマイナーチェンジが行われました。
では早速、新しくなったスペックを見ていきたいと思います。
商品
項目 | 概要 | 備考 |
---|---|---|
商品名 | HC Evo Pro | Trinity |
メーカー | Powerslide | - |
型番 | 908277 | - |
参考価格 | 63,000円(税別) | - |
総重量 | 1404g | EU40片足 |
構成
パーツ | ギア | 重量 | 規格 |
---|---|---|---|
ブーツ | HC Evo Pro (EU40) | 758g / 片足 | Trinity |
フレーム | Nexus 3x90/225mm | 180g / 片足 | Trinity |
ウィール | Undercover 90mm/86A | 112g / 個 | - |
ベアリング | Twincam ILQ 9 Classic | 11g / 個 | - |
ブーツ:HC Evo Pro
- 2018モデルのHC Evo Proから変更なし。
スペック、デザイン、パーツ類は2018モデルと同じ。
ブーツ内部の高さが、2018モデルより少し高くなった。 - EU40のブーツのみの片足分の重量は758g。
シェルとインナーが一体型ブーツで、軽量化が図られている。他社のスラローム用ブーツと比べても最軽量の部類に入る。 - 人間工学に基づいたインナーのパッド。
必要な箇所に必要な厚さのパッドが配置されている。圧迫感や痛みを感じることはなく、足に沿ってなじむようにフィットする。 - かかと浮きを防止する形状。
シェルにかかとがすっぽり収まり、アキレス腱の根元を挟むような構造になっていて、かかとが浮ないようになっている。 - 熱成形が可能。
フィット感に不満がある場合や、ブーツが当たって足に痛みが出る場合は、専用オーブンなどで温めて自分の足型に成形することができる。
熱成形できるスラローム用ブーツは、他社製品の含めて唯一このブーツだけである。 - アッパー部分にはケブラー繊維を使用。
足の甲を覆うアッパー部分には軽くて頑丈なケブラー繊維を使い、しっかりサポートしてくれる。熱成形すると、この部分も成形される。 - ブーツ内のかかとが5mm高い。
膝をまっすぐ前に出しやすくして、スラロームをしやすくするための仕様。 - カーボン製のシェル。
力の伝達のロスが極めて少ないので、ブーツ操作時のレスポンスが早く、加速も速い。 - グラスファイバー配合の剛性の高いカフ。
カフに負荷を掛けるような滑りをしても、しっかり支えてくれる。 - つま先部分を補強。
こすって削れてしまうことが多いつま先の先端部分が、樹脂パーツで補強されている。 - カフとバンパーとバックルはネジ留め。
カフは付属のレンチで、ブーツの側面に付いているバンパーと2つのバックルはプラスドライバーで、簡単に交換できる。 - Trinityマウントを採用。
Trinityフレームと組み合わせることによって、ブーツの重心が他のブーツより約1cm低い。
安定感が良く、エッジコントロールがしやすい。 - Xスロットを採用。
ブーツ側のマウントスロットは横長の穴になっていて、前2か所は約10mm、後ろは約25mm、左右に動かしてフレームを取り付けることができる。
フレーム:Nexus 3x90 Rockered
- Nexus 3x90に変更。
2018モデルの「Katana 3x90」から、デザインとブリッジが簡素化された「Nexus 3x90」に変更。
ただし、基本的なスペックや性能は変わらず。 - 素材は6061アルミニウム。
航空機材料としても使用されている6061アルミニウムを削り出して作られている。
とても頑丈で耐久性があり、キックした時のレスポンスが良い。 - Xスロットを採用。
フレーム側のマウントスロットが縦長の穴になっていて、前後に約10mm程度動かして、好みの位置に取り付けることができる。 - シャフトでロッカリング可能。
真ん中と後ろのウィールのシャフトは、差し込む向きで2mm上げ下げさせることができる。これにより、2輪とも下げる緩めのロッカリング、あるいは真ん中だけ下げるきつめのロッカリングに設定できる。 - フレーム長は215mm、225mm、235mmの3種類。
ブーツサイズによって付属するフレームの長さが異なる。詳しくは下表を参考に。
ブーツサイズ (EU) | フレーム長 (mm) |
---|---|
38〜39 | 215 |
40〜41 | 225 |
42〜46 | 235 |
ウィール:Undercover 90mm/86A Bullet
- UCに変更。
2018モデルではPowerslideのSpinnerだったウィールが、さらに高品質な米国製のUndercover(UC)のウィールに変更。 - スラローム向きのウィール。
形状がブレットでグリップ力が強めのため、ウィールを倒し込んだ時に抜けづらく、安心してウィールに乗ってスラロームができる。
Powerslideのライダーがスラロームをする時には、このUndercoverのウィールを使用している。 - フリースケートにも対応。
厚めのウレタンが路面からの振動を吸収してくれるためか、滑り心地はなめらかでスムース。
足裏に伝わる振動や衝撃が少ないので、スラロームだけでなく、街乗りやフリースケートでも快適。
ベアリング:Wicked Twincam ILQ 9 Classic
- 2018モデルから継続の「Twincam製のILQ 9 Classic」。
インラインスケート用の規格で生産された、回転性能、耐久性ともに高品質なベアリング。 - 洗浄メンテナンス可能。
洗浄して再使用することを想定している製品のため、定期的に洗浄メンテナンスをすれば長く使い続けられる。
その他
- インソールが付属していない。
インソールを入れなくても問題なく履いて滑ることができる。
足裏のフィット感や固定感を上げたい場合は、薄めのインソールや土踏まずとかかと部分だけのインソールを入ると良い。 - ヒールブレーキが付属していない。
ヒールブレーキの取り付けは不可能。
総評
2018モデルとの大きな違いとして、フレームとウィールの変更があります。
2018モデルのKatanaフレームは、きれいに表面が切削加工され、ブリッジが2本入っていましたが、2019モデルのNexusフレームはデザインが簡素化され、ブリッジが1本です。しかしながら、6061アルミニウムの使用とフレームロッカリング仕様は変わらず、補強ブリッジも各ウィール間にしっかり入っているなど、基本的な性能は変わらないようです。
ウィールはオーソドックスな滑り味のPowerslideのSpinnerから、グリップ感が強めでマイルドな滑り心地のUCウィールにランクアップされました。
このように、2018モデルから変更になったフレームは性能が変わらず、同じく変更になったウィールは販売価格が約1.5倍のものにランクアップされました。
しかし、Deeportの販売価格を見ると、2018モデルより2,000円ほど安くなっているので、単純にスペックだけを見るとコスパが良くなったと思います。
それから、タイトなフィット感は変わりませんが、2018モデルよりブーツ内部の空間が少し高くなっていて、甲高な日本人に優しくなりました。
そのため、多くの人にとって最初からつま先部分が低くて痛くなるようなことはなさそうで、薄めのインソールを入れるとちょうど良いくらいかもしれません。
Trinityマウントの車高の低さと3点留めによる、安定感やエッジコントロールのしやすさは前モデルと変わりありません。
また、90mmウィール3輪も同じですので、ロッカリング時の安定感や1輪系の技に有利なことも変わりません。
この辺りのことは、2018モデルのレビュー記事「Trinity搭載スラローム用ブーツ「HC Evo Pro」の実走レビュー!」を参照してください。
2018モデルのHC Evo Proより、コスパが良くなり、痛くないように履き心地も改善されています。
そのためトリックスラロームやフリースタイルスラローム(FSS)のどちらのスラロームにも対応できるのはもちろん、カーボンシェルの機敏なレスポンスやタイトなフィット感を好むスケーターには、昨年以上におすすめできるブーツとなっています。
サイト | ページ | 説明 |
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